どんな治療をするの?
歯科といえば虫歯の治療や歯石の除去のイメージがありますが、実際には虫歯の治療以外にも様々な治療を行っています。そこで、歯科で行っている治療を紹介します。
親知らずの抜歯や炎症の治療
虫歯の治療に次いで頻度が多い治療は、親知らずの抜歯です。親知らずは口内の最も奥に生えてくる歯のため、歯磨きがしにくく炎症をおこしたり虫歯になったりしやすく、治療が大変なため大体が抜歯をします。親知らずは真っすぐ生えずに斜めに生えたり、歯茎の中に埋まっていたりと抜歯が困難なことがあります。その時は一般歯科ではなく口腔外科にて抜歯を行います。
親知らずや歯周病が原因で炎症を起こし、顔が腫れて、蜂窩織炎(ほうかしきえん)になることがあります。蜂窩織炎になると点滴治療を行わなければならないため、口腔外科での治療が必要になってきます。口腔外科では切開して膿を出したり、抗菌薬の点滴にて治療をして腫れを落ち着かせます。蜂窩織炎は虫歯でも起こります。発熱、喉の炎症、口が開かない、食事が出来なくなるなど、腫れだけではなく他の症状が見受けられる場合は入院処置も必要になることがあります。
怪我などの治療
口の周囲の怪我の治療も歯科の仕事です。転倒や転落、交通事故、スポーツなど様々な要因での口周囲の怪我をしたとき、頬や唇などが切れただけなら縫合で済みますが、歯がぐらついたり折れてしまったり抜けたりしたときは歯の治療が必要になったり、骨折していた場合は手術による治療が必要なこともあります。
顎関節脱臼の治療も行います。顎関節脱臼になると開いた口が閉じられなくなります。顎関節脱臼は若い人も起こりますが、主に高齢者に多くみられます。顎関節脱臼は脱臼して間もなければすぐに戻すことができますが、時間がたつと戻すのが困難になるため、病院での治療が必要になります。
唾液を作り出している唾液腺という組織にできる唾石の除去も歯科の仕事です。唾石が出来ると、唾液の出が悪くなり腫れてきます。そのため唾石を除去する必要があります。
ウイルスや腫瘍などの治療
ヘルペスウイルスなどの口周りのウイルス感染の治療も行います。比較的症状が軽めのヘルペスなら飲み薬での治療になりますが、帯状疱疹ウイルスの場合だと入院、点滴治療が必要になることもあります。またウイルス検査では血液検査が必要です。
口の中にできた嚢胞の治療もします。嚢胞は内部に液体が溜まった袋状のできもので、小さな嚢胞は問題ありませんが、大きな嚢胞の場合は手術が必要です。主に歯根の先に生じることが多いです。
口の中に発生した腫瘍の治療をします。腫瘍と嚢胞の違いは、腫瘍の場合は基本的に内部に液体はなく組織だけがあります。腫瘍のイメージはガンですが、悪性腫瘍に限らず良性腫瘍も口の中にはしばしば発生します。小さい良性腫瘍であれば外来での局所麻酔で摘出することが可能です。しかし、大きくなったり血管腫という腫瘍の場合は手術が必要です。悪性腫瘍の舌ガンや歯肉ガンなどの場合も手術が必要です。